
AIに「答え」を求めない。「壊れ方」を測ることで、学びの環境を可視化するプログラムです。
この取り組みは、学力評価や思想教育を目的としたものではありません。正解を教えず、感想や意見を評価しない設計のため、成績付けや序列化と切り離して導入することができます。
扱っているのは、「構造が残るかどうか」という一点のみです。
順序、条件、再現性といった観点で体験を捉えるため、個人の価値観や表現内容に踏み込みません。安全性と再現性を確保した上で、説明責任を果たしやすい教材構造となっています
プログラムの特徴
1
循環測定工学とはどんな学問?
この学問は、「正しい答えを出すための学問」ではありません。そうではなく、「どこで、どうやって、話がこわれるかを見る学問」です。ちょっと変に聞こえるかもしれませんが、実は、今のインターネット社会では、とても大切な考え方です。
2
テストの「丸・バツ」とは違います。
学校のテストは、正しければ ○、間違っていれば ×、ですよね。でも、この学問では、○ も × も つけません。点数もつけません。なぜなら、「正しいかどうか」を先に決めてしまうと、見えなくなることがあるからです。
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土と水の話で考えてみよう
まず、土の話をします。乾いた土に、水を一回だけかけて、「この土は、こんな性質です」と決めてしまったら、本当にそれで十分でしょうか? 実際には、少し水を足す、こねる、しばらく待つ、もう一度さわる、力をかける。こうしたことを何度もくり返すと、さっきまでサラサラだった土が、急にベタベタになる。思っていなかった変化が起きる。ということが起こります。このように、途中の変化を止めずに、回し続けて見る、これを、工学では 「循環測定」 といいます。
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この考え方を、文章に使うと?
ここで、土のかわりに「文章」を置いてみます。人が文章を書く、AIがその文章を「絵」にする、人がその絵を見て、また文章を書く、AIがそれを、また別の形にする。これを、止めずに、何回も回し続けます。このとき大事なのは、上手に説明できたか、わかりやすかったか、正しかったか、ではありません。見るのは、ただ一つ。どこで話がズレたか、どこで意味がこわれたか、それでも残ったものは何か、です。
5
AIは「考える人」ではありません
ここで大切な役割分担があります。AI(ChatGPT)は何をしているの? AIは、正しいかどうかを考えません。いい文章かどうかも考えません。AIがしているのは、形を変えて、記録を残すことだけです。たとえば、文字を絵にする、絵をまた文字にする。どこで変になったかを、そのまま残す。AIは、測定器(そくていき) のような存在です。
6
人間は何をしているの?
人間は、「ここはこわれたな」と感じる、「ここはまだ残っているな」と読む、「このズレは大事だ」と気づく、つまり、見る・感じる・考える役です。この学問では、AIが「測る」、人間が「観察する」と、役割をはっきり分けます。
7
なぜ、わざと「こわす」の?
ふつうは、失敗、まちがい、炎上、ズレは、悪いものとして消されます。でも、この学問ではちがいます。こわれたところこそ、大事な記録。なぜなら、どこでこわれたかがわかれば、そこが弱い場所だとわかるからです。橋のテストで、わざと重いものをのせて、どこで折れるか調べるのと同じです。
8
なぜ、インターネットを「地盤」と呼ぶの?
地面(地盤)は、力をかけると変形する、何度もくり返すと、元に戻らなくなる、小さなヒビが、だんだん大きくなる。という性質があります。インターネットの世界も同じです。文章を入れると、反応が返ってくる、何度も書きかえられると、意味が変わる。小さな誤解が、広がって大きな問題になる。だから、この学問では、知識が流れる場所を「ネット環境地盤」と呼びます。人を責めるためではありません。環境そのものを見ているのです。
9
最後に、いちばん大事なこと
この学問は、人を評価しません、人をランクづけしません。賢さをはかりません、見ているのは、文章だけです。文字と絵を何度も回したとき、どこでこわれ、何が残るのか。それを、AIと人間が役割を分けて、静かに記録するだけです。
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まとめ
人間–AI「文字⇔絵」循環測定工学は、正しい答えを出す学問ではありません。文字と絵を何度も行き来させて、話がどこでこわれるかを見つける学問です。こわれたところを消さずに残すことで、インターネットの世界を、少しずつきれいにしていきます。
導入形態(出前授業・単発・連携)
本教材は、学力評価や思想形成を目的としないため、教育現場の役割分担を壊しません。
評価しない、正解を教えないという設計そのものが、安全性と説明責任を支えています。
導入は単発でも成立し、継続を前提としません。
必要な範囲で、必要な形でご検討ください。
